ホルモンとは?

内分泌系の生理的基礎とは?

ホルモンとは、特定の組織あるいは器官で産生・分泌され、特定の臓器(標的器官)に特異的な作用をするシグナル伝達物質です。

その名前の由来は、ギリシャ語で(興奮させる)(呼び覚ます)を意味するホルマオに由来します。

ホルモンは、導管をもたない内分泌器官から分泌され、直接血中へ、あるいはリンパ液を介して血中へ分泌される。

これに対して、汗や唾液、胃液、膵液、胆汁などは体表管腔の上皮表面に放出されます。

これを外分泌(エクソクリン)と呼びます。

外分泌を行う外分泌腺は導管を介するか、直接的に分泌物を体外に放出します。

現在では、心臓や腸、肝臓、腎臓などの内分泌器官以外からもホルモンまたはホルモン様物質が放出される事や、分泌した細胞自身、あるいは細胞間液を拡散する事によって、隣接細胞に作用する。

ホルモンやホルモン様因子もある事などからその概念は広がっている。

 

もともとの概念では、ホルモンを内分泌器官から分泌するものと定義します。

 

ホルモンの合成

ホルモンを化学的構造から3種類に大別されます。

1 アミノ酸型(アミノ酸誘導体)ホルモン

アミノ型ホルモンはアミノ酸を材料として作られるホルモンで、カテコールアミンと甲状腺ホルモンがあります。

カテコールアミンは、フェニルアラニンからつくられるチロシンを出発点として生成されています。

チロシンは、チロシンヒドロキシラーゼによってL-ドーパからドーパミンが生成され、ドーパミンからノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が生成されます。

この一連の反応は、クロム親和性細胞(クロム塩で染色すると強い褐色を呈する)内に存在する分泌顆粒の中で行われる。

その際、ノルアドレナリンの多くは細胞質へ移動してアドレナリンに変換されます。

ノルアドレナリンからアドレナリンへの変換を行うフェニルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼは、脳と副腎髄質のみに存在する為、交感神経末梢で行われる合成はノルアドレナリンまででほぼ終了します。

甲状腺は、チロキシン(T4)トリヨードチロニン(T3)の2種類のヨードアミン型ホルモンを産生します。

T4 とT3の前駆物質は、甲状腺の濾胞細胞で合成されるチログロブリンである。

このチログロブリンのチロシン残基にヨウ素が段階的に入り、最終的にヨードが4つのT4や3つのT3が合成される。

 

ペプチド型ホルモンとは?

ペプチドホルモンの生合成は、一般のタンパク質合成過程とほぼ変わらない。

はじめにmRNAの遺伝情報に基づいてプレプロホルモンが作られた後、プロホルモンとなりプロホルモンは様々なプロセシングを受けてようやく活性をもつホルモンになります。

ホルモンの多くはこれに属していて視床下部、下垂体、上皮小体、すい臓、消化管、心臓から分泌されるホルモンのほとんど全てがペプチド型である。

 

ステロイド型ホルモンは?

ステロイド型ホルモンは、ステロイド核を有するコレステロールが前駆物質となって生合成されます。

全てのステロイドホルモンは、炭素原子27個をもつコレステロールから作られる。

副腎皮質からは、コルチコイドやアルドステロン及び副腎男性ホルモンがつくられ、性腺では、男性ホルモンや女性ホルモンが合成されます。

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