筋トレと筋肉痛,筋拘縮と筋委縮について
筋の組織学について
筋は収縮性の細胞もしくは繊維によって構成されています。
筋繊維は、収縮する能力の他に興奮性、伝導性、弾性といった特性を有します。
平滑筋、心筋、横紋筋(骨格筋)という3種類の筋が体内に存在します。
筋繊維内には筋形質と細胞質と呼ばれる半流動体の物質が存在します。
筋原線維は、筋内膜に覆われ、筋繊維束は筋周囲膜、そして筋全体は筋外膜に覆われます。
筋内膜、筋周囲膜、筋外膜は腱膜につながります。
骨格筋は一般的に血流に富んだ組織であり、動脈、静脈、リンパ管、神経線維は筋周膜に広がります。
毛細血管網は、筋内膜に広がり、筋繊維に直接繋がります。
肉離れ
各筋は、関節をまたぎ、機械的強度が高く相対的に弾性に劣る腱を介して骨に付着します。
筋が過剰に伸展もしくは大きな負荷が加わった際に、筋繊維の断裂が起こります。
この損傷を肉離れと呼びます。
肉離れは、3つに区分されます。
Ⅰ度:繊維の断裂がないか5%未満で、MRIもしくは超音波画像上で浮腫が確認される。
Ⅱ度:筋の部分断裂、筋の5%以上の繊維が断裂している。
Ⅲ度:筋の完全断裂
肉離れはどの筋肉にでも起こり得るが、複数の関節をまたぐ多関節筋(2つの関節をまたぐ2関節筋)で好発する事が確認されています。
肉離れは、筋腱移行部で起こりやすいです。
痙攣とは?
痙攣は、非常に大きな痛みを伴う不随意の筋収縮です。
常に負荷がかかり、疲労しやすい筋群で好発します。
筋痙攣が起こるメカニズムは、未だにはっきりとされてないが、神経や筋制御の撹乱、脱水、体内の電解質不均衡などが原因として挙げられます。
筋の疲労はゴルジ腱紡錘の活動を低下させる一方で、筋紡錘の活動を高める。
これは筋の反射的な収縮を引き起こします。
筋肉痛とは?
ストレスの大きな筋活動が筋肉痛を引き起こすことはまれではない。
特に、慣れていない身体活動後に起こる事が多いです。
また、年齢を重ねるにつれて筋肉痛が起こる傾向があります。
筋肉痛には、2つのタイプがあります。
1つ目は、疲労に伴う急性筋肉痛です。
急性筋肉痛は、運動中や運動直後に起こります。
2つ目のタイプは、運動後12時間後に起こる遅発性筋肉痛です。
DOMSは、運動後24時間~72時間後に痛みの度合いが最大になります。
そのあとに症状は、軽減してきます。
通常は、3日~4日で症状はなくなります。
DOMSの症状として、筋の緊張増加、腫脹、可動域の低下があります。
DOMSの原因は、明確になっていませんがいくつかの仮説が立てられています。
筋組織の極微細な損傷が挙げられます。
筋組織を繋ぐ結合組織の損傷も原因と考えられます。
筋委縮と拘縮について
筋委縮は、筋繊維数の減少、筋繊維が細くなることによる筋全体の体積の減少です。
この主な原因として、身体部位の固定、不活動や神経の損傷が挙げられます。
一方で、拘縮は筋組織の異常な収縮により関節の運動が制限されることを意味します。
最後までブログを読んで頂き有難う御座いました。
全ては皆様の健康の為に。