高地環境と運動について
高地、低酸素環境とは?
高度の上昇に伴って大気圧は低下し、大気密度が小さくなり、大気1L当たりに含まれる酸素の量も少なくなる。窒素、酸素、二酸化炭素の割合は高地でも海抜0メートルと変わらない為に、大気圧の変化を反映してガス分圧は変化します。
したがって、高地環境では大気圧とともに酸素分圧も低下し、低圧、低酸素状態になる。
平地と比べて酸素分圧が低い状態を低酸素と呼んでいる。
高地環境、いわゆる低圧、低酸素環境は運動を制限する因子にもなり、高度の上昇に伴って最大酸素摂取量指数関数的に減少します。
特に1,500m以上~1,000m上昇するごとにVo2マックスは10%低下するとされている。
例えば、富士山頂上では平地と比べて約20%の低下となり、さらにエレベスト頂上では60%の低下となる。
高度の上昇によってVO2マックスが低下する要因は、主に、低酸素によるSaO2の減少によるものである。
高地環境でのSaO2の低下は、Vo2マックスの低下にも示されるように最大運動能力への影響のみならず、私たちの日常における身体活動のような最大下運動時にも、呼吸、循環機能に対してより大きな影響を与え、高地環境での運動中の心拍数や分時換気量は平地と比べて増大する。
高地環境では、気圧の低下により空気密度は低く空気抵抗も小さくなる為に、短距離や跳躍のパフォーマンスは向上する。
一方で、酸素分圧の低下によって低酸素状態となるために、中距離以上の持久的競技種目においてはパフォーマンスが低下する事になる。
低酸素状態が長く続くと、厳しい低酸素状態で滞在や運動を行うと、頭痛、吐き気、めまいやふらつき、食欲不振などの高山病の症状が現れる事がある。
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