アキレス腱の痛みとアキレス腱障害

アキレス腱障害と痛みについて

アキレス腱障害は、プロスポーツ選手やスポーツ愛好家に発症し、マラソンランナーやサッカー、バスケットなどの足関節の底背屈の繰り返しによるオーバーユースによって発症します。

症状としてアキレス腱の変性に伴う背屈可動域の低下や背屈による疼痛が発症する事が多いです。

スポーツの継続により再発を繰り返し、症状の悪化という悪循環に陥る事が多いです。

治療に難渋する事が多い。

特にアキレス腱付着部は血行に乏しく、修復機能が低いです。

この特徴を補うためには、果後部脂肪体によるアキレス腱への力学的ストレスの分散や栄養器官を補う。

果後部脂肪体によるアキレス腱への力学的ストレスの分散や栄養血管を補う機能が備わっている。

しかし、アキレス腱障害の場合は病態が果後部脂肪体など他の組織まで波及する。

近年、腱付着部とその周囲組織を一つの器官として捉える概念が普及し、重要とされてきている。

病態と機能障害との関連を評価する事が必須となっています。

リハビリテーションの分野においては、近年、エコーを使用した評価が発展し、的確に評価する事ができるようになりました。

バイオメカニクス研究では、アキレス腱の障害に足部アライメント異常を起因とする股関節周囲筋の筋力低下が報告されています。

局所から全身へ機能不全が波及している事が知られています。

 

 

アキレス腱障害のリハビリテーション

アキレス腱障害では、アキレス腱への力学的ストレスが増加する事で腱実質に変性が生じる事が明らかとなっている。

さらに損傷を修復させる為に、KFP(ケーラーズ、パッド、パット)から新生血管が入り込み変性が進み、有痛性の可動域制限および周囲組織と瘢痕化が進む事が報告され、これらが背屈可動域制限に関与している。

KFPの深層には、底屈筋である長母指屈筋が走行しており、これらが背屈の制限因子となる。

また、アキレス腱はheel cordを介して、足底筋膜と連結する事から、背屈可動域制限がある場合は足底腱膜のタイトネスも併発する事が報告されています。

このように解剖学的特徴とアキレス腱障害の病態を考慮すると、柔軟性の獲得はアキレス腱KFP、長母指屈筋、足底腱膜まで考慮し評価、運動を行う事が必要である。

アキレス腱障害に先行して、アキレス腱実質が変性している事から、アキレス腱自体の柔軟性を改善させるべくダイレクトストレッチを行うと良い。

アキレス腱に連結する下腿三頭筋も滑走の低下やタイトネスを併発する事が多い為それぞれダイレクトストレッチを行う。

新生血管の流入、炎症所見はエコー画像から簡便に評価する事が可能で、癒着や滑走性が低下している部位と関連する事が多い。

アキレス腱の癒着や滑走性の低下に対してはモビライゼーションを実施するとよい。

最後までブログを読んで頂き有難う御座いました。

全ては皆様の健康の為に。