脳神経や痛覚の仕組み

痛みが脳に伝わる仕組みについて

痛みの感覚は、自由神経終末への刺激で起こると考えられています。自由神経終末は、皮膚や粘膜、筋肉、関節など全身に分布しています。

痛みの他にも、温度や感覚などにも関わっています。(温度核や触圧核)伝導速度が異なる複数の神経線維が絡みあって形成されています。

また、痛み情報がどの神経線維で伝えられるかによって、痛みの感じ方がかわります。

例えば、階段を昇っていて膝を打った場合、最初の感じられるのは、膝を打ち付けた強いショックだろう。

この強いショックがファーストペインと呼ばれます。

打撲や傷などによる鈍い持続的な痛みをセカンドペインと呼ばれています。

ファーストペインとセカンドペインは、それぞれ別の伝導路を経て大脳体性感覚野へ送られます。

ファーストペインは、刺激のあった部位を瞬時に判断する為の信号、セカンドペインは障害による休息や将来の危険回避を促す信号といわれています。

痛みの信号は、その他、島や頭頂連合野、前帯状回などにも送られます。

痛みの認知や分析など高次な活動に生かされると考えられます。

 

痛みに対するプラセボ効果とは?

鎮痛作用として有名な物質は、モルヒネがあります。

モルヒネは、オピオイド受容体と結合し、痛み情報を伝える神経活動を抑えています。

ですが、鎮痛成分をまったく含まない偽薬(プラセボ)の服用で、お客様の感じる痛みが和らぐ事もあります。

これをプラセボ効果といいます。

人々の症状や健康の改善を促す現象です。

プラセボ効果は、信念や期待、心理的な要素に基づいています。

治験などの研究においても考慮されるべき要素であり、医療や臨床試験においても重要な役割を果たしています。

ナロキソンという物質は、オピオイド受容体を阻害し、鎮痛作用をブロックします。

ナロキソンは、偽薬が引き起こした鎮痛をもブロックする事が知られています。

偽薬によって痛みが薄らいだと感じる時は、脳内になんらか変化が起こっていると言えます。

このお薬は痛みに効くだろうという信念は、ときには脳の働きに影響するようだ。

 

 

無痛の怖さ、痛みは大切な感覚?

先程の痛みはファーストペインとセカンドペインがあるとお伝えしましたが、世の中には痛みがないという方もいらっしゃいます。

ハンセン病の末梢神経障害は、痛覚や温冷覚が失われています。

ハンセン病(レプラ)とは、マイコバクテリウム.レプラエと呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症です。

長い潜伏期間を持つ病気で、感染後数年から数十年以上の潜伏期間があります。

感染率は、比較的低く効果的な治療薬が存在している為、感染者数は減少しているようです。

症状は、皮膚の発赤やしびれ、ツボ刺激に対する感覚の低下、皮膚や組織の変化などが現れます。

重症化すると、手足の麻痺や関節のこわばり、眼の損傷、呼吸器や内臓への影響も起こる事があるので注意が必要です。

最後までブログを読んで頂き有難う御座いました。

全ては皆様の健康の為に。